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| 児童・生徒の尿検査のねらい ―なぜ尿検査が必要なのか― |
 現在、学校で毎年行わている尿検査は、昭和48年5月の学校保健法施行令、施行規則の改正によって、学校での健康診断の一環として実施するよう義務づけられ、翌年の49年から全国でいっせいに始められました。
このように尿検査が法律で義務づけられた背景には、子どもたちの疾病構造が大きく変化した、という事情がありました。それまで圧倒的に多かった感染症が激減して、腎臓病や心臓病、喘息といった慢性の病気が増えてきていました。
そこで学校保健も、子どもたちの疾病構造の変化に対応して、このような慢性の病気を早い時期に発見して適切な治療と管理を受けさせるとともに、できる限り充実した楽しい学校生活を送れるように指導する、といったことが必要になってきました。
尿検査が必要になったもうひとつの理由は、腎臓病についての治療や管理の方法が進歩して、子どもの時期に尿検査を行うことが腎臓病の予防と悪化防止に非常に役立つということがわかってきたのです。
さらに、紫斑病性腎炎や先天性の腎臓病など、大人にないタイプの腎臓病が子どもには少なくないこともわかってきました。そしてこれらの子どもに特徴的な腎臓病も、早期に発見して正しい治療・管理を行えば、その一部は治癒し、悪化を防ぐことができるということもわかってきました。
 こうして児童・生徒の尿検査が行われるようになって、すでに15年が経過しています。この間に、学校（集団）検尿はさまざまな面ですばらしい成果をあげ、世界的にも非常に注目されています。
一方、わが国では、腎不全に陥って人工血液透析を受けている患者さんは、年々増加しており、このことからも腎臓病対策を重点的にすすめる必要があり、学校検尿はその最も中心的対策のひとつとして位置づけられています。 |
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